トロンピーク（通称）6114m。トロンパスより。この背後にKhatung
Kang 6484m（この写真では見えない）がある
トロンピークの名前は地図には出ていない。トロンパス5416mの南側に位置するカトゥンカン6484mの、支峰6114mを地元の人が呼ぶ通称である。ルートは写真の真ん中のなだらかな尾根から右上にトラバースし、中央の尾根の左の雪壁を登った。今回のネパールの目的は、まず前からの懸案であった、トロンピーク6144mを登ることであった。しかし深雪のラッセルで予想以上の時間がかかってしまい、登頂はできず残念ながら約6000ｍで引き返した。5800mから上の40〜50°の雪壁のクライミングは気持ちが良かった。テントはトロンパスの小屋の端に張ったが、結果論ではあるが、トロンパスから池に下りて、もっと山に近づいた所に張るべきだった。5日後にテリチョレイクから戻った時に我々のトレースがまだトロンパスから見えた。
2番目の目的はテリチョ・レイク
4920mに行くこと。できればジョムソンからメソカンタを越えたかったが、食料・装備が重くなりポーターも増える。トロンピークを登るのが優先されたため、トロンパス経由マナン側から入ることにした。お陰で、トロンパスを2回越えることになった。ティリチョ・レイクは素晴らしい。神秘の湖が突然現れる。途中のガンガプルナ、ロック・ノワール、ティリチョ・ピークの眺めも良い。ティリチョBCに行く道は大地滑り地帯を通るため注意が必要だ。尾根を高巻く道もあるが余り通られていない。
3番目はカラパタール
5545m, エベレストBC5364mとゴーキョ・リ5360mに登り、その間にあるチョラ・パス
5330mを越えること。チョラ・パスも素晴らしい。氷河を歩き、登山の雰囲気も味わえる。チョラ・パスからゴーキョ方面への下りは急であるため、雪がついて凍ると滑っていやらしくなる。その場合、逆コースで登った方が行きやすいだろう。また、降雪直後はルートファインディングが難しくなる。
ティリチョ・レイクとチョラ・パスはアドベンチャーが好きな外国人は行くが、日本人は少ない。もっと行って欲しいお薦めのトレッキング上級コースである。
下記の記録は常識的には危ないほどスピードが速い。高度順応ができており、それなりの体力がある場合、という前提でご覧頂きたい。ジョムソンからポカラに飛行機で帰る予定であったが、ポカラの天候不良のため欠航となり、歩いて帰った。飛行機の待機と歩きで３日遅れたため休養期間が少なくなってしまった。また、カトマンズからのルクラ便が一日欠航となったため、クーンブ・エリア方面の日程が一日短縮され、ゴラクシェップまでは無理があった。クーンブ・エリアの前半はかなりきつかったが、後半はペースを落としたため楽にはなった。毎度のことではあるが、飛行機の遅れや欠航を見込んだ余裕のあるスケジューリングの必要性を痛感する。11月にルクラで天候不良により１週間くらい閉じ込められた人達もいたようだ。
