アンナプルナ内院方面の山

 Mountain View in the Annapurna Sanctuary 


    ここに紹介する山は、いわゆるアンナプルナ・ベースキャンプ方面の山だけでない。アンナプルナ内院の範囲は定かではないが、アンナプルナ連山がほぼ楕円形に囲んだエリアを内院とすると、マチャプチャレ・ベースキャンプ(MBC)がほぼ真ん中かからやや下側にあり、アンナプルナ・ベースキャンプ(ABC)は西半分にある。ABCはトレッキングとして非常にポピュラーなルートであり、訪れる人も多い。一方、東半分はクライミングの世界であり、東アンナプルナ氷河と西アンナプルナ氷河(氷河はかなり後退しているが)からの登山となる。このエリアに入る人は年間でもごくわずかであろう。殆ど人目に触れないこのエリアの写真も紹介する(「テント・ピーク遠征記録」参照)。
  ABCへのトレッキングは素晴らしい景色が楽しめ、特に最後のABC周辺からのアンナプルナ南壁や、アンナプルナ・サウス、マチャプチャレは圧巻だ。また、MBCからABCにかけては高山植物も多い(「
アンナプルナ内院方面の花」参照)。このエリアはABCでも4130mとそんなに高くないため、高山病の影響も大きくはない。トレッキングとしてはアップダウンが多いため楽ではなく、道もエベレスト街道に比べればやや整備されていない箇所もあるが、その分自然を楽しめる。
  日本人のトレッカーはエベレスト方面に集中するきらいがあり、ABC方面への日本からのツアーは比較的少ない。欧米からのトレッカーは多く、近年は韓国、台湾、中国本土からのトレッカーも増えている。彼らは日本人と異なり若者が多く、個人や2〜3人のグループで気楽に来ており、国の元気さ・バイタリティが現れている感じがする。もう少し、日本人にこのエリアにも行って欲しいものである。

 

Annapurna III 7555m (center) and Gangapurna 7454m (left)
中央のピークはアンナプルナIII、 その左がガンガプルナ

 Glacier Dome(Tare Kang) 7069m (left) and No name Peak 7140m (right)
 左はグレイシャー・ドーム 7069mm、1964年10月、千葉県山岳連盟登山隊が初登頂した。右側は無名峰、7140m。なお、グレイシャー・ドームの標高は記録では7193mとなっている。

 

Annapuna South 7219m(left) and Hiun Chuli 6434m (right)
 チョムロンより。チョムロンでは日本人の努力により水力発電の電気が初めて灯った。

Machhapuchhre 6997m from Chhomrong

 

 

 Annapurna Sounth 7219m
 1964年10月、京都大学隊が初登頂した

 Annapurna Sounth 7219m
約5700m地点より撮影

 

 Hiun Chuli 6434m
 ABCより撮影。9月初旬では余り姿を見せない。

Hiun Chuli 6434m
 NMA Climbing Peak の一つ。D,D+,TDの各ルートがあり難しい。日本人の登攀記録は非常に少ない。

 

Singu Chuli (Fluted Peak) 6501m
 ABCより、9月撮影。

Singu Chuli (Fluted Peak) 6501m
 西アンナプルナ氷河方面より。NMA Climbing Peak の一つでED−などのルートあり。日本人の登頂記録はない。

 

 Annapurna I  8091m
 我がガイドのKanya Gurung 君。若く、向学心あり英語も上手、真面目でユーモアもあり。ネパール国旗を手にして。

 Annapurna I  8091m
 アンナプルナ南壁。約5700m地点より撮影。 

 

 Gandharwa Chuli 6248m
 西アンナプルナ氷河の5200m地点より。 

Machhapuchhre 7993m
 この山は戦後英国隊により頂上直下まで登られている。現在は登山禁止の山である。 

 

 Tent Peak (Tharpu Chuli) 5695m
NMA Climbing Peak の一つ。一般ルートの北西稜はグレードPD。我々が登ったEast Face のグレードは如何に?

Dear, near to ABC
 ABCからややMBC方面に下った所の草原を、鹿が横断していた。

 

アンナプルナBCのトレッキングの記録(9月初旬)

  9月初旬はモンスーンがまだ完全には明けず、雨の日が多いが激しい雨は少なくなる。当然、山の展望は余り期待できない。逆に豊富な高山植物が大変美しい。この時期はトレッカーは少なく、特に日本人は全くいないと言ってよい。静かなトレッキングができる。
  モンスーン季の難点はヒマラヤの他の山と同様に、2000〜2500m程度まではヒルが多いことである。ヒル対策として殺虫剤のバイゴンを靴や靴下にスプレーしておくと効果がある。草の中を歩く時は常に着いているか注意して、見つけたら素早くむしり取って殺す(憎しみをこめて。それでもどこかに潜り込んで血を吸っている。お釈迦様が生まれたネパールの国の人は血を流していても、慈悲深いのか、ヒルを殺さずに平気でいる)。
    この時はたくさんの花の写真を撮りながら行ったが、ゆっくり歩く通常の日本人のツアーでは8日〜10日間位かかるところを、時間短縮のため5日間で往復した。写真を撮らなかったら、途中で会ったヨーロッパの青年のように4日間で行けるかも知れないが、普通の人にはお勧めできない。

  第1日  ポカラ→ナヤプル(タクシー)→ニューブリッジ→チョムロン(泊)
    第2日  チョムロン→バンブー→ヒマラヤ→デウラリ(泊)
    第3日  デウラリ→マチャプチャレBC→アンナプルナBC(泊)
  第4日  アンナプルナBC→MBC→チョムロン(泊)
    第5日  チョムロン→ナヤプル→ポカラ(タクシー)  

 

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