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○ポカラ近郊のミニ･トレッキングコース
ポカラ近郊の小高い山は地元民の生活の場である。ポカラ盆地はセティ・リバーの度重なる洪水や土石流、マチャプチャレ近くからの氷河湖決壊（５〜６００年前に大きなものがあり、ポカラ層を形成）により、現在のような盆地になったと言われている。フェワ湖（またはぺワ湖）も川がせき止められ湖になった。最近は山からポカラ･バレーに移住している人も多いが、昔は涼しい山の方に殆ど住んでいたと思われる。従って、山の稜線や中腹には生活道路が張り巡らされており、ミニ・トレッキングコースといっても住民の生活道路であることを忘れないで欲しい。ルートはいくらでもあり、登りでせいぜい２〜３時間、ポカラから日帰りのコースである。。
コースの記述順はサランコットと平和塔は東から西の時計回り順、ニルマルポカリは西から東へ時計回りに記述している。
１．サランコット
（１）東側からの自動車道路（東コース）
日の出を見に行く人たちや観光客はビンダバシニ・テンプル近くからの道路を車で行き、肩にある駐車場から３０分程度歩いて頂上に向かう。従って、自動車道路を歩く人は少ないが、初めてサランコットに行った時は、登山道（生活道路）が分からなかったために、自動車道路を歩き、頂上で道を聞いて下りは普通の山道を歩いた。
（２）東側のビムセントル近くから、草原の丘を登り、車が通れる道などや、またはメタラン経由で稜線を行くコース（東南東コース）
草原の丘はポカラの街が見下ろせ気持ちが良い。後は車が通れる道や山道が張り巡らされているので、適当に北西方向に行く。後述のメタランの奇岩群ルートに出ても良い。
（３）レイクサイドの外れの韓国レストラン近くからメタラン経由のコース（南西コース）
レイクサイドの外れに近い所から尾根を登ればメタランに大体出る。メタランは堆積岩になりかけの奇岩群があり、岩登りが楽しめる。結構きつく高度感もあるが地元の子供達は身軽に登ってしまう。（「ネパールの人々」参照） メタラン以降は北西の頂上目指して適当に登る。
（４）レイクビュー・レストランの岬を越えた所にある食品・雑貨店の近くから田んぼ道、南側尾根を登る（南南西コース）
岬を下ると食品雑貨店の手前に川があり、川沿いの田んぼ道や人家の近くを登る。食品雑貨店から少し西からもやや広い道がある。田んぼを過ぎて小さな川沿いに登ると、右側を登るコースと二つに分かれる。右側はチョッとした人家から尾根道を登り、フェワ湖方面の眺めもよい。山道を登りきるとチョータラがあり、車道にでる。少し車道を登ると、下の分岐点の左側直登コースの山道に出る。
（５）上記（４）のコースの分岐からまっすぐ、尾根を登るコース（南コース）
南からの最もポピュラーなコース。（４）の分岐から暫く林の中の急な山道を歩く。林を過ぎると展望台や草原の中を歩いたりして、眺めが良い。草原の坂を上りきると車道にでる。車道を横切って尾根道を人家の端を通りながら登ると、学校の近くの車道にでる。車道を少し左に行くと、岩のある草原を登ると頂上直下のロッジ、土産物店街にでる。後はコンクリートの階段を登ると頂上だ。疲れているとこの階段がきついかもしれない。頂上の展望台は入場料を払う。
2005年にマオイスト対策で有刺鉄線を張り巡らせた軍の基地が頂上にでき、兵隊が常駐していたが、今はどうなっているだろうか。また、頂上のすぐ下に、地区の有力者が2005年にヒンズー寺院の建設をしていた。これはもう完成しているだろう。頂上の手前の車道を右に少し下るとパラグライダーが飛び立つ基地となっており、秋から春にかけてのシーズンは沢山のパラグライダーが空を舞っている。
（６）カパウディ近くの尾根を登るコース（南南西コース）
フェワ湖の北西端からの尾根を登る石段の多いコース。カパウディまでポカラから遠いので、帰りに使うことが多い。途中フェワ湖の眺めの素晴らしいチョータラがある。また、少し上にも巨大なチョータラがあり、学校の端を通っていく。まっすぐ登って行き、２回車道を横切って登ると、頂上直下のコンクリート階段に出る。
（７）ノーダラ、カスキコットからのコース
ノーダラからは車道がつながっており、サランコットに登ってから、カスキコット経由でノーダラまで歩くのもよい。サランコットからやや西は桜の木が沢山あり、１１月頃（ネパールの桜の花期は１１月から１２月）には一帯がピンク色になる（「プーンヒル･ダンプス方面の花」参照）。途中パラグライダーの練習場もあり、眺めのよいピークも近い。トレッキングのシーズンにはプーンヒルやダンプス方面から歩いてくる人に会うこともある。
２．世界平和塔（日本山妙法寺）とプンディコット
ここも沢山のルートがあるが、簡単に記す。なお、世界平和塔（地元ではピースパゴダとかグンバと呼んでいる）から眺めの良い稜線沿いに更に上に行くと、丘の上にこぎれいなロッジがある。オーナーはイギリス人だがネパールにはいない。アンナプルナ連山の眺めは素晴らしく、客が少ないのが大変もったいないロッジである。更に西に稜線を行き最後に急な石段を登ると、地元民がプンディコットと呼ぶ丘がある。ここからのアンナプルナ･ヒマールの眺めは最高。ごくまれに外人が行くが、一般には余り知られていないためトレッカーに会うことはまずない。
（１）ダムサイドから森林の尾根コース
森林を通る静かな良いコースだが、6月から9月頃の樹林帯はヒルが多い。外人トレッカーを狙った強盗が出ることがあったので注意が必要。
（２）デビスフォールのあるチョレパタンの部落の西の端から人家の多い尾根のコース
一番ポピュラーな道。人家の多い尾根筋の全くの生活道路。途中、チョータラやマンディール（ヒンズー教の寺）があり、眺めも良い。フェワ湖の見える尾根に出ると茶店があり、天気が良いシーズンならパッとヒマラヤが見える。
（３）南からの田んぼコース
チョレパタンから自動車道路をもう少し西に行き、田んぼの中を北に直登る。一番急なコースだが棚田の眺めがよい。
（４）フェワ湖への道-1
平和塔の北側の門の近くから樹林帯を下るとフェワ湖のボート乗り場に出る。ボートに乗ってレイクサイドに帰る。
（５）フェワ湖への道-2
平和塔直下の茶店から尾根をダムサイド方面に少し下ると、フェワ湖に下る樹林帯の道がある。上記１のボート乗り場に出ると思われるが、途中までしか行ったことが無いので分からない。
３．フォクシン（ニルマルポカリ） Phoksing
(Nirmalpokari)
フォクシンはニルマルポカリの中にある部落の地名。ニルマルポカリはヒマラヤからはサランコットや平和塔より少し遠くなるが、逆に程よい距離となりヒマラヤがより雄大になる。距離が離れることによって、前をさえぎるう山が相対的に低くなり、また距離が近い所の高度が高い場所から見るのと同じ効果になるからである。ポカラからやや東に位置するため、マナスルはより大きく見える。地球の歩き方に紹介されている所以であるが、一般のトレッカーが訪れることは少ない。
なお、福岡市の篤志家の方がニルマルポカリに学校を寄贈しており、地元の人たちが感謝をしており、生徒達も熱心に勉強していた。ネパールに学校を寄付する日本人が多いが、作りっぱなしであることがあり、教室はあるが教材がない、先生がいないなどの問題があることがあるが、ここはきちんとフォローがなされており、援助の成功例であろう。
ポカラからニルマルポカリへ行く道は、何れもセティ・リバーの支流であるプンディ･ブンディから流れる川を、つり橋で渡る道が多い。
（１）チョレパタンから川の上流を川を渡り、シマルチョールへ川沿いに登るコース
ここはニルマルポカリというよりもKristinachnechaurかもしれない。途中に車道もあり、稜線に出ると東西に車道がある。なお、車道ないし、自動車道という表現をすることがあるが、車が通ることができる道という意であり、ニルマルポカリに車が通ることはまれだ。
（２）デビス･フォールから南のつり橋を渡るコース
デビス･フォールからの水は地下を潜り、セティ･リバーの支流に出る。この辺のポカラ･バレーの堆積層は石灰を多く含んでいるため固まってはいるが、水流により侵食を受けやすい。渇水期には近くの観光洞窟から入り、地下をデビス・フォールの落ち口まで行くことができ、一見の価値がある。但し、雨季には途中までしか行けない。川が再び地表に現れる所は、ポカラ･バレーの堆積層の末端にあり、侵食と崩壊により巨岩が累々とした断崖絶壁となっている。断崖もデビス･フォールから近いため一見の価値と思うが、ガイドブックには何も触れらていない。勿論行く観光客もいないが、案内すると喜んでもらえる。残念なことに断崖のデビス･フォールに近い上流の方はゴミ捨て場になっており、興ざめはする。ニルマルポカリへの道は急坂を下ってつり橋を渡り、Pokharelthok近くに出る。途中車道にも出るが、住民が使っている山道をたどればよい。
（３）ポカラ発電所の下のつり橋を渡るコース
シャングリラホテルの南に、ポカラの堆積層からKristinachnechaurからの川の崖を利用して、水を落下させる水力発電所がある。発電機への導水管に沿って、急な階段がつけられており、ニルマルポカリの人たちの生活道路となっている。４５度位の階段は手すりはついているが、滑り落ちたら下まで直行、日本だったらまず使用禁止となるだろう。発電所を過ぎると小さな古ぼけたつり橋がある。山道を登って行けば尾根の自動車道に出る。なお、この辺はみかんの産地であり、ポカラのみかんはネパールでも有名である。
（４）シャングリラホテルから発電所の下流のつり橋を渡るコース、その１
シャングリラホテルの左脇を通り、分かりにくい田んぼの中を南に下ると堆積層の末端に出る。フォクシンへのメインコースであるため、ここのつり橋は新しく一番立派である。川幅も広がっているため１００ｍ以上あり、清流の上を気持ちよく渡る。石の階段を登ると、小さなチョータラがあり、少し行くと上の家に向かって右に曲がる道がある。後は道成りに樹林帯を通っていくと視界が開け、田んぼを通るとこの辺で一番高い丘にも出る。この丘はこの辺りでもヒマラヤの最高のビュー･ポイントであり、日本の某旅行社が購入済みらしい。
（５）シャングリラホテルから発電所の下流のつり橋を渡るコース、その２
その１の、右に曲がる所を曲がらずにまっすぐ行く。左にトラバース気味に田んぼを過ぎ、樹林帯を登って行くと、尾根の車道に出て学校がある。トラバース気味に登るためやや長いが、利用者は多い。学校から左に車道を行くと、丘の上の一等地に軍のキャンプがある、それを過ぎると丘の上に、福岡の篤志家が寄贈した学校がある。大きな立派な学校で、別名福岡スクールと呼ばれている。ここからのヒマラヤの眺めは素晴らしく、マナスル三山も近くなる。但し、マナスルの名を知る人は少ない。
（６）セティ・リバーからLamichhanegaunの近くに行くコース
ポカラの山岳博物館からセティ・リバー沿いにドンドン下る。途中、セティ･リバーは両側からの堆積に挟まれ、あたかも１００ｍ以上もある深い下を流れる。堆積の上部はつながって、橋のようになっており、車も通ることができる。この辺の断崖の景色もすごい迫力だ。地中を通ったセティ･リバーは突然広い河原となる。川の北側の段丘の上にはフルバリ･ホテルがある。更に車道を下ると、セティ･リバーは合流し、鉄の橋を渡り、登ると尾根の車道に出る。西に行くと福岡スクールに出る。
４．その他
（１）カフンダーラ(Kahundanda)
ポカラの北東にある１４４４ｍの丸い丘。頂上付近には展望台がある。カフンダーラの北側にある、バラムにはＫ．Ｉシン･ブリッジから行くと、セティ･リバーに約２００ｍのつり橋がある。川床から５０ｍ以上の高い所にあり、ポカラにこんな大きな橋があるのかと思われるような景色だ。
（２）カリカ （Kalika)
ポカラの東方の、ベグナス･レイクの北方にカリカからカジュタナがあり、ロイヤル･トレックの一部であるが。ラムジュンやマナスルに近くなる。ポカラからは見えにくいアンナプルナ�喫�がよく見え、またマチャプチャレから南東方向にあるため、ポカラからのマチャプチャレとは違う鈍角の三角形となる。
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